アダルトチルドレンの回復3
アダルトチルドレンとは、幼少期に親との関係で心に傷を抱えたまま大人になった人のことを指します。その心の傷は、今もなお心の奥で「インナーチャイルド(内なる子ども)」として泣き続けていることがあります。けれど、多くの場合、その存在には気づかれないまま、大人の生活が続いています。
そしてもうひとり、「プロテクトチャイルド(守る子ども)」という存在がいます。これはインナーチャイルドを守るために、代わりに行動してきた存在です。強い思い込みや信念を持っており、かつては生き延びるために必要でした。しかし今の安全な現実には、必ずしもその信念は合わないことが多くあります。
このふたり、インナーチャイルドとプロテクトチャイルド、どちらも「子ども」です。どちらも、私たちの中にずっと存在していて、それぞれの役割を果たしてきました。
だからこそ今、大切なのは「大人の私」を育てていくことです。インナーチャイルドの感じる痛みや悲しみに寄り添い、プロテクトチャイルドの必死な防衛の声を受けとめる、愛ある寄り添う大人の存在です。
インナーチャイルドは、純粋で繊細です。自分の気持ちに正直で、嫌なことを嫌だと感じ、傷ついた経験があるからこそ、より敏感になっていることもあります。
プロテクトチャイルドは、そうしたチャイルドを守るために、さまざまな信念や行動で生き延びてきました。たとえ現実に合わない行動をしてしまっていたとしても、それは必死に自分を守るためだったのです。
どちらの存在も、間違っていません。
ただし、私たちが生きている現実の社会があります。たとえば、インナーチャイルドの涙にいつまでも浸っていたら、仕事や家事、育児といった日々の責任をこなすのが難しくなるかもしれません。
また、プロテクトチャイルドの「人を信じてはいけない」「傷つくから関わらない方がいい」といった信念も、過去には必要だったかもしれません。でも今は、人と助け合って生きられる社会の中にいます。もしその信念のままでいると、かえって孤立し、苦しさが増してしまうかもしれません。
だからこそ必要なのが、この二人の子どもたちを受け入れ、理解し、共感できる「内なる大人」を育てることです。
インナーチャイルドとプロテクトチャイルド、ふたりの子どもたちの「親」として、心の中に愛ある寄り添う大人を育てていくこと。それが、自分自身を深く癒し、より自由に生きていくための大切な道なのです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
またいつでも、必要なときにふらりと立ち寄ってくださいね。